2009年5月25日付「日経産業新聞」に当社関連記事が掲載されました!

2009年5月25日付日経産業新聞19面「リーダーの肖像」に当社関連記事が掲載されましたので紹介いたします。

<個別指導のパイオニア / 少子化にらみ市場創出>

 個別指導塾「TOMAS」を運営するリソー教育が景気後退の中でも成長を続けている。創業者で昨年会長に就任した岩佐実次(60)は「個別指導のパイオニア」とされる人物だ。業界の異端とされながらも「少子化と不況を前提にした」個別指導の市場創出に奔走。現在は第二の人生で子供たちに「恩返し」しようと、アイデアを膨らませている。
 「会長兼雑用係」。社長交代以降、岩佐は新経営陣のサポート役に徹している。創業以来、会社を引っ張り続けたワンマン経営の面影はない。「自分がいなくても回る体制を早くつくってほしい」と、昨年秋以降の不況に立ち向かう後輩たちを見守る。
 岩佐は学生運動のさなかに早稲田大学に入学。授業にほとんど出ることなく学生生活を終えた。塾の講師や家庭教師などを経験。二十九歳の時にようやく視聴覚教材の販売会社に就職する。
 中小企業だったため、専務を補佐する立場で人事や採用を担当。若くして経営の一端を学んだ。学習研究社系の教材販売会社にスカウトされると、これまでの経験を生かして常にトップクラスの営業成績を上げた。

 三十六歳で独立し、資本金一千万円で「日本教育公社」を立ち上げた。事業内容は幼児向け教材の販売と、一クラス六人の少人数制の学習塾「理想研」の運営。第二次ベビーブームに沸いた七十年代が過ぎ、八十年代は出生率が徐々に下がっていく時代だった。
 「少子化の時代に対応できるビジネスモデルを構築しなくては、成長を持続できない」。創業から一年。岩佐は個別指導塾への転換を決断する。しかし、順風満帆に事が運んだわけではない。業界で前例のない取り組みだけに、特に社員から猛反発を受ける。
 「社長は理想主義」「私たちがやめたら倒産しますよ」――。批判の声を強める社員一人ひとりを、岩佐は説得して回った。授業料、会員数、人件費、教室の家賃。十分に利益が出るビジネスモデルだということを数字で示し、少子化への対応の必要性を訴えた。
 数人の幹部が会社を去ったが、塾の名称を「理想研」から「東京マンツーマンスルクール」に切り替えて断行する。教師一人が生徒二人を受け持つ仕組みで、授業は週二回、料金は月二万五千円。初期は計算通りに利益が出ず、金策に走り回ったこともあった。
 経営を軌道に乗せるには五年以上かかった。しかし、岩佐は「新しいビジネスモデルが完成に近づいている」という確信をもって走り続けた。
 近年はほかの大手塾も個別指導事業を強化しているが、シェアは維持している。「不況でもポルシェやフェラーリを買う人はいるでしょう」。超難関校や医学部を志望する層に特化し、高価格帯での競争を勝ち抜こうとしている。

 「教育はサービス業」が持論。塾経営者の多くは講師出身の教育に一家言持つ人物が多いが、サービスの質の低さが目につくという。いくつもの職種を渡り歩いてきた岩佐ならではの感覚であり、リソー教育を成長させた原動力でもある。
 そんな岩佐が経営の第一線を退く決意をしたのは、一つの夢を実現するためだ。夢とは、子供が無料で利用できる美術館や病院を設立すること。すでに保有している自社株を売却するなどして五億−六億円を投じ、美術館建設に着手した。
 教育事業で得た資産は「子供たちへの恩返しに使いたい」。塾ビジネスを通じて思い描いてきた理想の教育像に、岩佐は一つの答えを出そうとしている(以上、一部抜粋)。

ご関心・ご興味のある方は是非ご一読下さい。

以上