2010年9月10日付読売新聞(朝刊)18面、連載「教育ルネサンス」(学習塾は今)に当社関連記事が掲載されましたので紹介いたします。

< 「個別」「大手」かけ持ちも>

 個別指導進学塾「トーマス」の高田馬場校(東京都新宿区)。8月上旬、畳3畳ほどのホワイトボード付き個室で、塾生の小学6年男子児童(11)が、講師と1対1の授業に臨んでいた。算数の和差算の問題に取り組む男子児童のペースに合わせ、講師が質問に答えたり、解説したり。男子児童は「疑問があれば丁寧に教えてくれ、理解してから次に進むので力がついた」と話した。
 「苦手な算数を、夏場に集中して指導し、秋から志望校対策に移れるよう工夫した」と、カリキュラム作りを担う教務担当の北原義文さん(39)。首都圏1都3県に64校を展開するトーマスでは、塾生1人に対して講師1人の完全個別指導で、個々の塾生に対応したカリキュラムやオリジナル教材を作成している。
 個別指導塾の人気が高まっている。矢野経済研究所によると、学習塾・予備校市場全体が縮小傾向にある中で、個別指導塾は2002年度に3000億円台を突破し、08年度には3690億円に。学習塾・予備校全体(9240億円)の約4割を占める。
 トーマスを運営する「リソー教育」(東京都豊島区)の伊東誠専務(47)は、「大切な時間を無駄にせず、確実に合格を目指す受験生の間で、集団指導では難しいきめ細かな指導へのニーズが高まっている」と説明する。
 男子児童は、小学6年生の春から、大手進学塾とかけ持ちでトーマスに通っている。「小学4年生から学んでいる大手塾では、集団指導に十分ついていけなかったり、宿題が多すぎて負担になったりして、受験勉強に不安があった」と、母親(44)は明かす。ただ、塾のかけ持ちに否定的な大手塾には内緒という。
 塾生の半数は、最初からトーマスだけに通い、3割は大手塾からの移籍組。残る2割が大手進学塾とのかけ持ちだ。
 塾をかけ持ちすると、月謝などの負担が増える。ある小学6年生の場合、トーマスが月8回(1回1時間半)で6万7000円、大手塾が月12回(1回約3時間)5万8000円で、合計12万5000円に跳ね上がる。
 通塾や授業の時間が長くなるなど、子どもの負担も相当重い。冒頭で紹介した男子児童は、週に4日は大手塾、残りの3日はトーマスと、毎日塾に通い、夏も大手塾の授業がないお盆休みなどにトーマスに通うといった具合だ。
 とはいえ、8月上旬に同校を訪れた際、塾生からあまり疲れは感じられなかった。リソー教育の桑野臣紀・教務企画次長(42)は「個別指導で弱点を克服することで、受験勉強に臨むモチベーションを高めている」と、二つの塾に通う子どもの姿を見る。
 過熱する中学受験は、ひとつの進学塾では満足できずにかけ持ちするという新たな現象を生み出している。
 (以上、一部抜粋)

 ご関心・ご興味のある方は是非ご一読ください。


以上