2012年2月20日発売「週刊ダイヤモンド」(2012年2月25日号)特集「最強の塾&予備校」に
当社関連記事が掲載されましたのでお知らせいたします(以下、一部抜粋)。

■お受験編(P54-55)
<年間200万円超でも大人気 富裕層向け老舗塾の贅沢サービス>
−幼稚園や小学校のお受験市場の縮小をものともせず、富裕層を狙ったビジネスモデルで
  快進撃を続ける老舗のお受験塾がある。富裕層の心をがっちりつかむサービスの中身を
 のぞいてみよう。

 笑顔、泣き顔、普通の顔――。男の子5人のさまざまな表情が描かれた紙をホワイトボードに張り付けた先生は、手にしていたストップウォッチのボタンを押した。
 10秒ちょっとでその紙を取りはずすと、イラストを凝視していた年中組の園児2人に向かって「笑っていたのはどの子だった」と投げかけた。
 だたボーッと眺めているだけではおとなでも間違いそうな質問だが、園児たちはスラスラと答えを解答用紙に書き込み、自信ありげにコクンとうなずいた。
 1月末の午後、幼稚園・小学校のお受験塾として知られる伸芽会の池袋本部教室を訪ねた。
 ロビーに入ってまず目につくのが、赤いリボンで飾られた私立の幼稚園や小学校の合格一覧。
慶應義塾幼稚舎、学習院初等科、青山学院初等部といった、いわゆるお受験・御三家を筆頭に
そうそうたるブランド校の名前がずらりと並んでおり、合格実績の高さがうかがえた。
 伸芽会は1956年設立というお受験界の老舗。首都圏1都3県だけで22教室を運営する。
 教室に通う子どもたちの多くが目指すのは、難関の名門ブランド校だ。伸芽会の飯田道郎取締役は、「ペーパー対策だけでなく、運動や絵画などのクラスにも力を入れている」と語る。
 というのも、国語、算数、理科、社会と試験科目がどの学校も同じ中高受験と違い、小学校受験は学校によって試験の“種目”がまったく異なるのだ。
 たとえば、慶應幼稚舎はペーパー試験がなく、運動と絵画が中心。そのため、伸芽会では筆記対策はもちろん、志望校別コースや絵画、運動の特別クラスなど、あらゆる学校の入試に対応できるきめ細やかな指導体制を敷いている。
 となれば費用もそれなりだ。年長児コースの場合、基本となる合格総合コースが月6万7200円。これにオプションとして特別クラスなどを組み合わせると、月謝は20万円を超すこともあるという。
伸芽会の親会社であるリソー教育の岩佐実次会長は「年間平均で140万〜150万円ほどかかる」と明かす。
 そのため、伸芽会がターゲットとして狙いを定めているのが、こうした高額費用が家計の大きな負担とならない都市部の富裕層だ。
 伸芽会に子どもを通わせている親の世帯年収は2000万円以上が多いという。首都圏で開校している教室の大半を成城や麻布、銀座、広尾といった高級住宅地や都心の一等地に構えているのも、彼らを効率的に取り込むためだ。
 東京私立初等学校協会によると、都内には全国の私立小学校の4分の1となる54校が集中している。しかし、森上教育研究所の森上展安代表が「私立小学校の受験者数はここ数年で2〜3割減っている」とし指摘するように、不況のあおりでお受験市場は急速に冷え込んでいる。
 にもかかわらず、伸芽会を含むリソー教育の業績は絶好調だ。
 「学習塾はサービス業」と打ち出し、高額ではあるものの、親の要望に沿った個別指導を徹底することで富裕層の心をつかんだのだ。不況などどこ吹く風と快進撃を続けている。

<働くお受験ママに大人気 初の英才教育型託児所>
 勢いに乗るリソー教育はさらに昨年、託児事業への進出にも踏み切っている。より低年齢から富裕層を囲い込み戦略の一環だという。
 同社が次なる柱と位置づけたのは、国内初となる英才教育型の長時間託児所。「伸芽'sクラブ」と銘打って昨年5月に目黒で開園したのを手始めに、現在都内3ヵ所で富裕層の子どもたちを中心に受け入れ、幼稚園、小学校、中学校の受験に対応した保育・学童コースを展開している。
 対象となるのは、共働きなどの理由で名門私立のお受験を諦めざるをえなかった高額所得の家庭だ。英才教育というコンセプトが支持され、目黒の1号校はスタート前から医者や弁護士のお受験ママらの応募が殺到、すぐに定員いっぱいになったという。
 池袋の本部教室では、伸芽会のワンフロア下に伸芽'sクラブが入っている。
 訪問した際、厳重なセキュリティで守られた室内では、子どもたちがブロック遊びに興じていたが、じつはこれ、お受験で出題されたことのあるブロックなのだという。楽しみながら自然と、受験テクニックを身につけることができるというわけである。
 自宅や小学校、幼稚園への専用バスでの送迎サービスはもちろん、施設内には、ピアノやバイオリンを演奏できる防音設備の整った音楽室も完備。音大卒の一流講師から指導が受けられるという充実ぶりだ。
 ほかにも、英語や囲碁、チェスまで学ぶことができるというから至れり尽くせりだ。働くお受験ママにとっては、まさしく理想の託児施設といえる。
 幼児が遊んでいるすぐ隣の部屋には、小学生向けの学童施設も併設されている。
 伸芽’sクラブの料金水準は、長時間保育ということもあって、伸芽会よりもさらに高額だ。
 1歳児で週5日×10時間預けた場合、月額23万6250円にもなる。オプションで追加授業などを
受けると、年間で1人当たり180万〜250万円もかかるという。
 ただし、託児所にいながら乳幼児の保護者に人気の習い事までできるのだから、費用対効果は
意外と高いのかもしれない。

 ご関心・ご興味のある方は是非ご一読ください。

※業界動向編・お受験編の2つに分けて掲載しております
業界動向編はこちら

 

以上